レポート|ぬま大学第7期最終報告会 受賞者とマイプランのご紹介

ぬま大学第7期 最終報告会

受賞者とマイプランのご紹介

2021年11月28日(日)に開催した、ぬま大学第7期最終報告会。見事、賞を受賞したぬま大生とマイプランをご紹介します!

最終報告会で授与される賞は3つです。
まちづくりに最も貢献すると思われるプランに対して贈られる「最優秀賞」。ぬま大学での半年間で最も成長したぬま大生に対して贈られる「健闘賞」。そして、オンライン配信で最終報告会をご視聴いただいた皆様が「最も共感した!応援したい!」と思ったプランへ贈られる「オンライン共感賞」です。

これらの賞を受賞した3人のマイプランの内容から、最終報告会での審査員や受賞のコメントまで、余すことなくお伝えします!
ぜひ最後までご覧くださいね。

受賞者

●最優秀賞
宮田 瞳
「Selamat Datang di Kesennuma」

●健闘賞
佐々 文佳
「ーおいしいおはなしめしあがれーおはなしレシピでちょっとした豊かさを」

●オンライン共感賞
田中 慧
「顔の見える街、気仙沼へ〜気仙沼の「人」と「想い」をチカクする〜」

最優秀賞 宮田 瞳さん

ぬま大学第7期 最終報告会

<マイプラン「Selamat Datang di Kesennuma」について>
宮田さんは、大学時代にインターンに来ていた会社に勤める新卒1年目のIターン者さんです。
会社にはインドネシアからの技能実習生がおり、彼らと話す中で、気仙沼に関する暮らしの情報が集めづらく不安を抱いている現状を知ります。そこから気仙沼で暮らす前に、気仙沼がどんな場所かイメージできる暮らしガイドブックのような「カウントダウン式の日めくりカレンダー」を作成しました。そして、このカレンダーを、技能実習生を受け入れる企業と連携し、技能実習生にプレゼントしたいと考えています。また、カレンダーは「技能実習生に寄り添うこと」を大切にし、実際に彼らが知りたいことを37名の実習生にヒアリングをして内容を決めました。少しずつ気仙沼を知ることで、だんだんと気仙沼に来ることが待ち遠しくなってもらえたらと願っているそうです。さらに、気仙沼に暮らす人の声も届けられるようになっており、最終日には受け入れ企業からのメッセージが添えられます。
このカレンダーを通して、気仙沼市全体で技能実習生を受け入れる雰囲気を作ることで、日本で一番、技能実習生がいきいきと暮らせるまちを目指しています。

<審査員 木戸浦氏からの講評>
弊社にも技能実習生が17名おりまして、彼らがどのように気仙沼に来て、暮らしたいか、生きていきたいかというところまで深掘りしていなかったと反省しています。また、外国の方が気仙沼に来るとき限らず、日本各地から気仙沼に訪れる方たちは皆同じ悩みを持っていると思います。そこにも目を向けて、プロジェクトを広げていってもらえると嬉しいです。

<最優秀賞授与における、審査委員長 菅原市長からのコメント>
多くの審査員の方が非常に高い評価をつけました。色々良い点があると思うんですが、気仙沼においては、大震災後に人手不足で外国の技能実習生の皆さんが我々の産業、またこれからの気仙沼を支えていくんだなあといことを共有しています。そんな中で、気仙沼に来る方のご不安ですね。観光と住むことは違うんだよ、という視点から掘り下げていただいて、結局それは外国の方だけではなくて日本人で、気仙沼に移住してくれる方も同じだよねという話が審査会の中でもありました。何より、アイデアとして、カレンダーにひとつひとつ移住に近づいていくという実感が得られるような形で、スムーズに不安を少しでも低くしながら気仙沼に来てもらうということが、実践としてできるということで、完成度も高いことに、みなさんは評価したんだと思います。また、応用も今後出せるのかなと思うのと、またインドネシアの方達とどのように共生していくかということも実践できているということで、社会課題の気仙沼では解決策のひとつとして、やり方を見せていただいたように思います。今日は優れたプレゼンだったと思います。ありがとうございました。

<受賞した宮田さんのコメント>
賞をいただき、ありがとうございます。私はこうやって人前で話すことが苦手なので、今も緊張してしまっているのですが、とても嬉しいです。実は作ったカレンダーも昨日ギリギリ完成して、たくさんご協力をいただいて完成しました。なので、このぬま大学で終わらせずに、これからもアクションを続けていきたいと思います。本当にありがとうございました。

健闘賞 佐々 文佳さん

ぬま大学第7期 最終報告会

<マイプラン「ーおいしいおはなしめしあがれーおはなしレシピでちょっとした豊かさを」について>
佐々さんは、食べることと子どもに関わることが好きな、市内で栄養教諭として働くIターン者さんです。
子どもの頃、好きな絵本に登場する料理を家族と一緒に作った記憶が、今もあたたかな記憶として残っているそうです。そこから、一緒に料理をすること、本を読むことを通して、あたたかなコミュニュケーションを生み、ちょっとした幸せと楽しさをつくりたいと思い、生まれたのが「おはなしレシピ」です。おはなしレシピは、本に登場する料理やお菓子のレシピを佐々さんがレシピとして再現したものです。
本の読み聞かせをした後にレシピを見てみたり、レシピから実際に作ってみれることから、気仙沼図書館では「おはなしレシピ」で掲載した本の企画展が行われるなど様々なコラボレーションが生まれています。
本や食を通じたコミュニケーションで心に残る体験を子どもたちに届けること、そして、食を通して本を好きになってもらうこと、または本を通して食を好きになってもらえることを目指しています。

<審査員 友廣氏からの講評>
レシピ集が素敵でほっこりしました。僕も娘と一緒に「ぐりとぐら」のパンケーキを作ったことがあり、いいなと思います。一つだけ思ったことが、レシピを作ったことや、過去の思い出を遡りながらレシピを作っていくプロセスが一番楽しいんじゃないかなと思っています。参加者の方が集まって、共有しあって、家で作るのも楽しいと思うんですけど、みんなそれぞれに原体験があるんじゃないかと思って、絵本に限らず漫画や小説も含めて。そういうのを振り返ってレシピに落とし込んで見るとか。お店での協力もいただいたのであれば、そういった人たちにも聞いてみると、与えるのではなく、本質的には共有することが楽しいと思うので、そういう機会が作れると輪が広がっていくんじゃないかと思います。

<健闘賞授与における、審査員 森山氏からのコメント>
おめでとうございます。まずは、プランができたっていうのが、自分の原体験に基づいているということ。そして、実行していく中で見えてきたアクションの行き詰まり。それを自分の力で、周りの人の力を借りて前に進めていかれたというところ。そこが素晴らしかったなと思います。
また、私事になりますが、図書館の本の世界を広げるミュージカルを作っているんですよ。本を読んでその中で描かれたイメージというのが、人間のインスピレーションを呼び起こすんだということを伝えるミュージカルを丁度作っているところなんです。まさに、本の中で感じられたワクワクするような、しかもそれが美味しく五感で感じられるようなものが、本から飛び出て、現実として味わえるっていう。それがレシピ集になって、さらに図書館で展示されてという広がりが本当に素晴らしいなと思いました。

<受賞した佐々さんのコメント>
コーディネーターの方を始め、たくさんの方に助けていただいてできたマイプランだったので、本当に嬉しいです。ありがとうございました。

オンライン共感賞 田中 慧さん

ぬま大学第7期 最終報告会

<マイプラン「顔の見える街、気仙沼へ〜気仙沼の「人」と「想い」をチカクする〜」について>
大学を休学して気仙沼で働くIターン者の田中さんは、「大切な人と人生を楽しく、面白く生きたい」とぬま大学を通して気づいたそうです。そのために、人の考え方や思いに触れていくことが大切だと考えています。
そんな考えのもと、今仕事で取り組んでいるのは、市外の若者が一定期間、気仙沼の企業で働きながら気仙沼で暮らす体験プログラム「ふるさとワーキングホリデー」事業です。気仙沼の魅力は”人”だと言う田中さん。「ふるさとワーキングホリデー」で気仙沼を訪れた人たちに、気仙沼の人ともっとつながってほしいと思ったそうです。そこで、自身の大好きな”写真”と一緒に、気仙沼の人の顔とその人の思いが見え、身近に感じられるようなWEBサイトを作成しようと考えています。
WEBサイトを通して気仙沼の外の人が気仙沼の人と関われるきっかけを作ることで、気仙沼を好きになり、気仙沼を”第2の故郷”と思う人が増えることを目指しています。

<審査員 木戸浦氏からの講評>
とても笑顔が印象的で、それだけでも心が温かくなるなと思いました。今田中さんがやられようとしていることは、「人の心に火をつけること」なのではないかなと勝手に思います。その際に自分が燃え尽きないように、自分のペースを落としてもいいんじゃないかなと思います。これは私も同じですが、いつかロウソクのように火が燃え尽きてしまう時がきます。その時にロウソクを受け継いでくれる人を見つけれればいいなと思います。自分だけでやらずに、自分と同じような立場の人を作っていけるといいなと思います。
私が震災の後に、どのようにみなさんが立ち上がるのかと思っていたのですが、松尾芭蕉の歌にですね「草いろいろ おのおの花の 手柄かな」という言葉があるんですね。みなさんいろんな思いがある中で、どのようなペースで、どのような形で立ち上がって、どのように世の中を作ろうかというのはそれぞれの思いがあっていいことだと思うので、決して、立ち上がりが遅い人であったりとか、夢や目標がない人も残さないように、みなさんを包んであげるような取り組みをしてあげれるといいかなと思います。

<オンライン共感賞授与における、審査員 木戸浦氏からのコメント>
おめでとうございます。大変素晴らしいプレゼンだったと思います。内容とプレゼンの能力、この2つがマッチしての受賞と思います。もちろん参加されたみなさまも大変素晴らしかったと思います。オンラインでの受賞ということではありますが、田中さんには何かしらの力があるということだと思っています。それをいい方に使ってください。悪い方に使うと良くないですよ。

<受賞した田中さんのコメント>
賞状をもらったのが6年ぶりくらいですかね、卒業証書以来です。悪い方に使わないようにします!ありがとうございました。


以上が、受賞者とマイプランのご紹介でした。

受賞者以外のマイプランについては、YouTubeでご覧になれますので、ぜひご視聴くださいね。

ぬま大生の想いを感じて、「応援したい!自分も一緒にやってみたい!」と思っていただけましたら、ぜひともご一緒していただけますと嬉しいです。
「やってみたいこと」をやってみることから、たくさんの気づきを得て、マイプランを磨いてきた半年間。この最終報告会がスタートとなり、これから気仙沼で何かおもしろいことが、またじわじわと始まっていきます!

今後とも、応援をどうぞよろしくお願いいたします!