レポート|ぬま塾vol.28

震災から10年。
気仙沼の復興と今をデータから知ろう!

タイムライン

19:00 開会
19:10 ゲスト講話
19:40 ゲストとのトークセッション「データで見る、復興10年〜住まいと産業〜」
20:30 クロージング
20:35 終了

レポート

2021年7月13日(火)に気仙沼市役所ワン・テン庁舎 大ホールにて開催しました。

参加者はなんと満員御礼の30名。

そしてこの日のゲストは、気仙沼市 震災復興・企画部長 鈴木哲則さん。お話のテーマは「震災から10年。気仙沼の復興と今をデータから知ろう!」でした。
部長がお得意な「データ」を活用しながら、気仙沼の復興10年と現状、今直面している課題や市の取り組みについてお話ししていただきました。

まず鈴木部長から気仙沼の現状として、気仙沼の基礎情報をお伝えしつつ、震災と復興についてお話しいただきました。また、今後の市としての課題を踏まえながら、これからの気仙沼はどのように対策を打っていかねばならないかをお話しいただきました。

“海と生きる“気仙沼は、やはり水産業がまちの産業の柱となっています。しかし、人口減少による労働人口の減少や大元である水産業の担い手不足と行った課題があります。だからこそ、移住・定住支援や他の産業の創出に力を入れています。

そんな気仙沼の状況が理解できてきたところで、鈴木部長と事務局矢野とのトークセッションに移ります。

震災により甚大な被害を受けた「住まい」と「産業」にスポットを当て、関連するデータを読み解いていきました。

まずは震災で、市内の40%である26,000棟の家屋の倒壊があった気仙沼で、どのように市民の方の生活基盤となる住まいを再建していったかを辿ります。
震災前のコミュニティを残しながら、どのように安全で新しい場所に市民の住まいを移していくかが課題だったそうです。また、集団での移転が難しい方、集合型災害公営住宅に住む方々の新しいコミュニティづくりも大きな課題のようです。
この課題については、地域の担い手づくりなどを行い、自治力を高めていきたいとのことでした。

続いては、産業です。
震災前後の「水産加工品生産高」のデータから、とても興味深い変化が読みとれました!
水産・水産加工業の担い手不足が課題としてあるものの、震災10年を経て「水産加工品生産額」は震災前の「9割」まで回復しているそう。一方で、「水産加工品生産量」としては、まだ震災前の「6割程度」の回復。つまり、震災後、水産加工業の方達が自社製品のブランド化などの工夫を進めることによって高い利益率を出しているということなんだそうです!

また、このようにどの産業も収益をあげ高い利益率を目指していくことは働く人の賃金アップにもつながり、気仙沼で誇りを持って働ける若者を増やすことにもつながるため、今後も重要視していきたいとお話しされておりました。

そして、Uターンが見込める年代の女性のUターン率が落ちていることをデータとして見せながら、女性が地元で働きたくなる産業の創出も同時に行っていかないといけないとのことでした。
そのために、企業誘致や新規産業の創出も行っているようです。

そんなトークセッションも終わり、最後に鈴木部長から
「私としては人口減少が特に課題意識があり、なぜかというと人口減少はその人口を養うための経済力がまちに不足していることを示しているからです。そして、賃金の格差がある中で、働く方が生き生きとし、郷土に誇りが持てるような産業づくりを目指していきたいです。なので若者の皆さんには多少失敗してでもなんでもチャレンジしていき、モチベーション高くこのまちで働き、暮らして欲しいです」
とコメントをいただき、会は終了しました。

これを機に、気仙沼のことや市の取り組みが気になった方は、『第2次気仙沼市総合計画』を読んでみてはいかがでしょうか?
後期基本計画は秋頃公開予定です◎
▽第2次気仙沼市総合計画
https://www.kesennuma.miyagi.jp/sec/s019/020/020/020/111/20180222151136.html

次回のぬま塾は9月を予定しております!次回もお楽しみに〜!!

参加者の声

●震災後10年の気仙沼の状況をデータという側面から改めて考えることができました。今後の気仙沼についても見えてきました。

●震災前後を比較しながら気仙沼の現状や課題について知ることができました。人口減少という根本的な課題がいろいろな課題に繋がっていると思いました。

●水産加工生産高の数字について、400億以上の減少から9割まで回復させている現実があることに感動しました。