ぬま歩き<テーマ型まち歩き~戦後70年~>
平成27年8月19日(水)、気仙沼市唐桑町の中学生とともにぬま歩きを行いました。その名も、「探検型まち歩き」。
「70年前につながる『どこでもドア』を探せ」をテーマに、中学生が地域を探検し、時には住民さんに尋ねながら、唐桑に残る戦争の遺構を探しました。
ぬま歩きでやったこと
8:30 参加者集合
8:45 午前の部開始
10:20 集合・目的地へ向かい、案内人さんからお話
12:15 昼休憩
13:00 午後の部開始
14:00 集合・案内人、スタッフからお話
16:00 解散
中学生16名、地域の若者5名が参加し、地域を案内してくださる地域の住民さん2名にご協力頂きました。
午前の部
午前の部の目的地は、中学校から10分ほど歩いたところにある防空壕。実はその防空壕、元々は金鉱だったところを、戦時中に防空壕として活用したものでした。
中学生たちには「70年前に繋がるどこでもドアを探せ」とだけ伝えました。全くヒントなしでスタートし、行き詰まったら防空壕に関するヒントをもらうことができます。出されたヒントは、三陸沿岸の金鉱の紹介資料と、金鉱がある付近の浜で撮影された集合写真です。これらから、「金鉱」「浜の近く」というのを読み取ってくれれば良いのですが…。
4班に分かれてばらばらに歩きはじめ、「どこでもドア」探し。
勇気を振り絞って住民さんに話しかけ、戦争に関するお話を聞いてくる班もありました。行き詰った班はヒントをもとにして、再度歩き始めました。
時間切れになり、目的地の防空壕に近い浜に集合するよう招集がかかった時には、多くの班は目的地の周辺までたどり着いていました!
浜に集合し、探索の成果を発表しました。中学生からは目的地の防空壕に関する話以外にも、地域の住民さんから伺った戦争にまつわる話、学んだことが発表されました。
成果発表のあとはいよいよ答え合わせ。ここで2名の案内人さんが登場し、目的地の防空壕へ案内してくれました。
実はこの防空壕、森の中にあり、さらに道を外れて険しい斜面を登ったところにあるので、ただ歩いているだけでは到底見つかりません。
「森の中まで入ったのに~」という声もちらほら。みんな本当に近くまでたどり着いていたんですね!
防空壕に辿りついたところで、案内人さんから戦争の話、この防空壕に避難した話を伺い、実際に中に入りました。夏なのにひんやりと冷たい防空壕…。話を伺うだけでなく実際に防空壕の中に入ることで、戦争の恐怖を追体験することができました。
昼休憩のあとは移動して、もう一つの「どこでもドア」を探します。
午後の部
午後の目的地は、民家のお庭に遺された防空壕。
午前と同様、まずはノーヒントで探索し、行き詰まったらヒントをもらってさらに探索を行いました。
今回ヒントとなったのは、その防空壕のあるお宅の方から伺った、機銃掃射に関する話が書かれた紙と、その話を録音した音声です。その話の中には、重要なヒントであるお宅の屋号が出てきました。そのおかげか、制限時間内に全員が目的地に到着しました!
目的地であるお宅に集合したのち、各班で成果を発表しました。午前中は住民さんに話を聞くのをためらっていた中学生たちも、午後は積極的に住民さんにお話を伺い、色々なお話を聞いてきたようです。中には、戦争の招集の際に寄せ書きがたくさん書かれた国旗を見せてもらった班も…貴重な物ですね。
その後、実際に防空壕に入りました。入り口はとても小さいのですが、中は意外と広がりがあります。警報がなればこの防空壕に避難し、食事などもここで済ませたそうです。防空壕に入ってみて、その大変さを身に染みて感じました。
防空壕以外にもこのお宅には明治時代に建てられた蔵や道具、また、屋号の由来となった大きな石などがありました。昔の暮らしに実際に触れる貴重な機会になりました。
この大きな石、耳を当てると波の音が聞こえるらしいです・・・。
中学生の感想には、「家のすぐ近所にあるものに今まで気にも留めていなかった」という内容のものが多く見られました。また、「案内人さんから話を伺うだけでなく、実際に自分たちの足で歩いて戦争遺構を探し、話を伺うことが楽しかった」という意見も見受けられました。
参加者が、楽しく、主体的に地域のことを知ることが出来た、とても良い機会になりました!