気仙沼の高校生MY PROJECT AWARD 2020
「気仙沼のために何かやってみたい!」そんな想いをもった高校生が地域で実践してきたマイプロジェクトを発表する「気仙沼の高校生MY PROJECT AWARD 2020」が、2020年12月20日(日)にPIER7で開催されました。
4年目を迎えた今年、ついに市内にある全ての高校4校からエントリーいただきました!そして、集まった人数も、史上最多に並ぶ17組22名でした!
今年は、当日を迎える前の12月2日(水)に、高校生、市内4校の高校の先生、ゲスト審査員、高校生の伴走者(サポーター)、事務局という総勢35名が集まり、キックオフを行いました。マイプロジェクトで大事にしている「学びの姿勢」=「主体性・協働性・探究性」について対話する時間を過ごし、関係者間でマイプロジェクトにかける想いを共有し合うことができました。
そこから、高校生たちは短い期間でアクションや発表準備に取り組み、迎えた12月20日(日)。
今年のマイプロジェクトアワードは、午前と午後の2部開催となりました。
午前の部で17組全員がマイプロジェクトの発表を行い、午後の部では、午前の部を経て代表に選ばれた10組が発表を行い、その様子をオンライン配信でお届けしました。
アワード当日の様子(2部とも)は、今からでもアーカイブでご覧になれます!以下よりお申し込みください。
▼アーカイブ視聴のお申し込みはこちら
https://forms.gle/n8fEgMAWCsmpTomj8
ここからは、その1日の様子をレポートでお届けします!
タイムライン
9:30 午前の部 オープニング
9:35 高校生によるマイプロジェクト発表
11:25 交流会
12:00 午前の部 閉会
ーお昼休憩ー
13:30 午後の部 オープニング
13:50 高校生によるマイプロジェクト発表-90秒ピッチ-(7組)
14:10 高校生によるマイプロジェクト発表-プレゼンテーション前半-(5組)
14:55 休憩
15:15 高校生によるマイプロジェクト発表-プレゼンテーション後半-(5組)
16:15 休憩
16:25 スペシャル企画「マイプロジェクトってなんだろう?」
17:15 表彰式
18:00 閉会
会場は今年もPIER7。
新型コロナウイルス感染拡大を考慮し、収容可能人数の半分での開催となりました。
午前の部は、高校生20名と、招待者22名、運営スタッフで行いました。
午後の部は、高校生22名と審査員3名、招待者18名と運営スタッフで行いました。また、一般の方に向けてオンライン配信を行いました。
午前の部は、招待者の皆様のあたたかな目線で会場は和やかでありつつも、高校生は貪欲にマイプロジェクトをよりよくするアドバイスに耳を傾ける様子が見られました。
午後の部は、審査員の皆様もいらっしゃり、緊張感に包まれながらも高校生たちのマイプロジェクトの発表が行われました。
午前の部 オープニング
午前の部はAグループとBグループの2会場に分かれて行いました。午前の部の招待者は、各高校生のマイプロジェクトのテーマや分野において地域で活動されている方をお呼びしました。そして、高校生によるプレゼンテーションを聞いての感想やアドバイスをいただきました。
高校生によるマイプロジェクト発表 Aグループ
Aグループの司会は気仙沼の高校生マイプロアワード実行委員会の加藤拓馬さんがつとめ、会場は□shipで行いました。
1 チームももあや・・・パリんぬま
2 チーム彼岸花・・・虐め・虐待について
3 千葉紅羽・・・気仙沼と韓国を繋ぐほやの魅力
4 熊谷光晟・・・オンラインで若者の地域愛を育ててUターンを増やすためには
5 菅野みらい・・・外国人と私たちの違いから見る気仙沼の魅力
6 熊谷樹・・・同世代に伝える東日本大震災の記憶
7 中野愛菜・・・幼児の防災意識を高めるには
8 熊谷ちひろ・・・気仙沼と韓国の繋がりを深めたい!
9 伊藤ひなた・・・子どもの自尊心をupしたい!
高校生によるマイプロジェクト発表 Bグループ
Bグループの司会は気仙沼の高校生マイプロアワード実行委員会の成宮崇史さんがつとめ、会場は3階研修室で行いました。
1 岸佑衣子・・・在宅で看取りやすい社会を創るには
2 チームあみみほ・・・SAIL〜気仙沼再発見の旅への招待状〜
3 吉野桃愛・・・気仙沼の子供たちのグローバル化
4 川村佳乃・・・時代とともに変化する教育現場で柔軟に対応するためには
5 神谷ここの・・・民話×輪〜民話ではまる!気仙沼〜
6 只野愛実・・・海に彩りを〜脱・磯焼けへ〜
7 三浦向陽・・・ユニバーサルデザインの人づくり
8 齋藤将太・・・ステルスメイクから学ぶ「自分らしさ」
交流会
どちらの会場も、最後の発表者が発表を終えた後に、交流会に移りました。
招待者の皆様には高校生のマイプロジェクトに対する感想やアドバイスを書くことができるメッセージカードをお渡ししており、そのメッセージカードを手渡ししていただきました。メッセージカードを渡した時に招待者の皆様から高校生に熱いメッセージを届けていただき、高校生が目をキラキラさせながら耳を傾けていました。
午後の部 オープニング
午前の部の発表を経て、いよいよ午後の部へと進みます!
会場は軽運動場に変わり、また午前の部とは違った雰囲気に。
今年の司会は、昨年に引き続き成宮さんと、高校生の時に気仙沼でマイプロジェクトに取り組んでいた三浦亜美さんのお2人です。息のあった司会で会場から笑顔がこぼれます。
まず最初に、主催者である菅原茂市長から開会のご挨拶をいただきました。そして、実行委員から「気仙沼の高校生マイプロジェクトアワード」開催への想いをお話しした後、審査員の皆様のご紹介や、評価基準などをご説明しました。
高校生によるマイプロジェクト発表 -90秒ピッチ-
オープニングが終わりいよいよ午後の部の発表に進みます。
午後の部の発表は、90秒ピッチとプレゼンテーションの2つの形式で行いました!そして、このプレゼンテーションに進む10名は、午前の部の発表後に各グループの高校生とスタッフの投票により決定しました。
まずは90秒ピッチ!
とても短い時間ではありますが、自分のマイプロジェクトの想いをぎゅっと詰め込んで伝えてくれました。実は高校生は、午前の部と午後の部の間のお昼休憩に、7分間のプレゼンテーションをキュッと90秒にまとめてくれていて、初挑戦の90秒ピッチまで素晴らしくやってのけてしまう高校生に驚きが隠せませんでした。想いが十分に伝わる素敵なピッチでした。
1 千葉紅羽・・・気仙沼と韓国を繋ぐほやの魅力
2 菅野みらい・・・外国人と私たちの違いから見る気仙沼の魅力
3 熊谷ちひろ・・・気仙沼と韓国の繋がりを深めたい!
4 只野愛実・・・海に彩りを 〜脱・磯焼けへ〜
5 三浦向陽・・・ユニバーサルデザインの人づくり
6 チーム ももあや・・・パリんぬま
7 川村佳乃・・・時代とともに変化する教育現場で柔軟に対応するためには
高校生によるマイプロジェクト発表 -プレゼンテーション-
90秒ピッチで会場の熱気が最高潮に高まり、お次はプレゼンテーションがスタート!
今年は11月を皮切りに、短い時間でマイプロジェクトに取り組んできた高校生たち。その集大成を、7分間に詰め込んでプレゼンテーションを行ってくれました。
そのプレゼンテーションの後には、豪華な審査員の皆様から、マイプロジェクトに対しての質問やアドバイスをいただきました。
1 チーム彼岸花・・・虐め・虐待について
2 熊谷光晟・・・オンラインで若者の地域愛を育ててUターンを増やすためには
3 熊谷樹・・・同世代に伝える東日本大震災の記憶
4 中野愛菜・・・幼児の防災意識を高めるには
5 伊藤ひなた・・・子どもの自尊心をupしたい!
6 岸佑衣子・・・在宅で看取りやすい社会を創るには
7 チームあみみほ・・・SAIL〜気仙沼再発見の旅への招待状〜
8 吉野桃愛・・・気仙沼の子供たちのグローバル化
9 神谷ここの・・・民話×輪〜民話ではまる!気仙沼〜
10 齋藤将太・・・ステルスメイクから学ぶ「自分らしさ」
<審査員>
菅原 茂氏(気仙沼市長)
小山 淳氏(気仙沼市教育委員会 教育長)
浦崎 太郎氏(大正大学 地域創生学部 教授)
スペシャル企画「マイプロジェクトってなんだろう?」
プレゼンテーションが終わり、審査員の皆様たちが受賞者を決める審査会を行うなか、会場ではトークセッションを行いました。
高校生の活動を支援している成宮さんによる進行の元、震災直後に高校生時代にマイプロジェクトに取り組んでいた三浦さん(社会人)、気仙沼の高校生マイプロジェクトアワード第1期、第2期生の伊藤さん(大学生)、そして中学生で探究活動に取り組んでいる宮井さん(中学生)という、マイプロジェクト経験者の3名から、マイプロジェクトに取り組む中での気づきや、自身の変化などをお話しいただきました。
また、そのトークセッションの様子がまとまった記事もございます。詳しくご覧になりたい方は是非とも合わせてご覧ください。
▼記事はこちら
http://maru-zemi.com/2021/03/column_36/
表彰式
いよいよ、最後のプログラムとなる表彰式へと移ります。
審査会によって決定された「市長賞」、オンライン聴講者による投票をもとに決定された「オンライン共感賞」の2つの賞に加えて、「審査員特別賞」が審査会の中で設けられ、この3つの賞が贈られました。受賞者は以下の方々です。
【市長賞 岸 佑衣子さん】
プロジェクト「在宅で看取りやすい社会を創るには」
将来は訪問看護師になるという夢をもつ岸さん。家で大好きなおばあちゃんを看取った経験や、在宅医療を始めたひいおじいちゃんを見て、在宅医療での「介護」の重要性を強く感じたそうです。
そこから、市内で在宅での看取りや介護に関わる仕事をされている方にインタビューを行いました。このインタビューから、在宅での看取りは介護と医療の連携が必要であることがわかり、その中でも介護、特に”運動”という部分は、高校生の自分達でもできることなのではと考えました。さらに、同世代の高校生にも「在宅介護」に興味を持って欲しいという気持ちが芽生えました。
これからは、高校生でも誰でも簡単にできる介護予防体操を作って広める等の広報活動をしていきたいと考えています。
受賞のポイント
・プレゼンテーション、テーマ共に審査員一同共感が高かった。
・自宅で看取るという重いテーマを、軽やかにご自身の体験を踏まえ発信していること。
・都会では出てこないテーマであり、これは気仙沼の豊かさでもあると気づかせてくれるマイプロジェクトであったこと。
受賞者のコメント
自分が呼ばれると思わず、びっくりしました。プレゼンテーションに体操を入れることや、高校生にとっては大きい「介護」という課題だったのに、共感してもらえて嬉しかったです。このようなテーマに協力していただけた大人の皆さんに感謝を述べたいです。ありがとうございました。
【オンライン共感賞 伊藤 ひなたさん】
プロジェクト「子どもの自尊心をupしたい!」
少人数だった中学校が統合により大人数に変わり、周りと自分を比べてるようになってしまったと話す伊藤さん。この経験から自分で自分のことを誇らしく思う心=自尊心が低くなってしまったと振り返り、このような思いを子どもたちにさせたくないという想いから活動がスタートしました。
このプロジェクトで大切にしているのは「褒める」こと。褒める際には、目を見て、スキンシップをして、結果よりも過程をしっかりと褒めることが大切なのではないかと自分で仮説を立て、イベントを主催して実際に検証を行いました。伊藤さんの得意な料理を活かして、親子のお料理教室を開き、参加した親御さんに「褒める」を実践していただいて、子どもの自尊心の変化を調査したところ、見事自尊心がアップしたそうです。
これからもより多くの人に「子どもを褒める」活動を広げるために、次は「#めんこめんこキャンペーン」という活動を行なっていきたいと考えています。
受賞のポイント
・身近ところから始めていたところ
・自分のアクションを広げて、深めていたところ
・表現力も豊かなプレゼンテーション
受賞者のコメント
自分が自尊心が低かったのに、こうやってみなさんの前でプレゼンテーションができて、さらにこのような賞までいただけて、本当に嬉しいです。ありがとうございました。
【審査員特別賞 熊谷 樹さん】
プロジェクト「同世代に伝える東日本大震災の記憶」
「震災の記憶が残っている最後の世代」として、被災した自身の経験を知恵として伝えていくことを通して、防災への意識を高め、広げていくことを目指したプロジェクト。
小学2年生の時に家が全壊するといった被災を経験した熊谷さん。その時、知識がなくパニックになり、危険な選択をしそうになっていたことを振り返ったことや、熊谷さんの祖父が過去の震災経験を知識として蓄えていたことから、震災を伝えていくことの大切さに気づいたそうです。そして現在は、向洋高校語り部クラブに所属し、震災を伝えていく活動に取り組んでいます。語り部の活動を通して、震災を経験していない同世代や自分より若い世代に伝えていくことの難しさを痛感しました。そこから、”過去の事実”を伝えていくのではなく、これから先に遭遇するかもしれない災害への”知識”として伝えていけるように、今も語り部を実践しています。
受賞のポイント
・気仙沼において震災は大きなこと。それをもしかしたら大人が押し付けてしまうことがあるかもしれない状況のなか、防災というテーマを自分の中に照らし合わせて、自らでスタートしている点。それが、震災復興の大切な象徴と言えるのではないかと思われた。
受賞者のコメント
まずはこのような賞をいただけ大変嬉しく思っているのと、驚いています。自分たちが伝えていくことで、全国での防災への理解や輪が広がっていくことを、みなさんも心にとめていただけたらと思います。また、自分自身もそこを目指していきます。ありがとうございました。
参加者のこえ
- 高校生が様々なテーマを主体的に考え、実践し、プレゼンするエネルギーは、今後必ず役に立つものと思います。(会場聴講者)
- 一人ひとりが「掛け算」を意識して、自分がどのように自己表現をするか、気仙沼をよりよいものにしていくかということが考えられた発表が多かった。(会場聴講者)
- 思わず応援したくなるプロジェクトばかりで、楽しみながら見ることができたし、それぞれのプロジェクトの今後が楽しみに思えました。(オンライン聴講者)
- はじめて聴かせていただきました。高校生さんのプロジェクトの視点の広さと内容のクオリティの高さにビックリです。高校生がここまで考えて実施していく力を気仙沼にすむ大人として応援したいと思いました。加えてプレゼンも工夫されていたので…満点です。(オンライン聴講者)
新型コロナウイルス禍の一年。
高校生の”やりたい”という気持ちがいつもより制限されやすい一年ではありましたが、その状況をしなやかに乗り越え、一人ひとりが自分らしいマイプロジェクトを作って取り組んできました。その姿は会場でご参加されていた皆様、オンラインで視聴していただいた皆様にもきっと届いたことと思います。また、その姿が多世代にも繋がっていく未来が見えるような1日でもありました。
これからも地域でアクションを重ねていく高校生たちの応援を、どうぞよろしくお願いいたします!