ぬま大学ラボ第2期 レポート

ぬま大学第2期

昨年度から新しく始まったプログラム、「ぬま大学ラボ」。
昨年度は「気仙沼をつなげる30人」をテーマに、これまで復興に向けてそれぞれチャレンジしてきた企業、NPO、行政から、年齢も立場もバラバラな28人が集まって、お互いの思いを共有したり、対話を重ねながら、”まちの未来”をつくるプロジェクトを生み出していきました。

そして今年度は、気仙沼に暮らす様々な立場の人が集まり、これからの”まちの未来”に大切なテーマを一緒に学び・深めていく、テーマ型勉強会のプログラムとして帰ってきました!

今回は、まちづくり実践塾「ぬま大学」を卒業したOB・OG生3名がテーマオーナーとなり、そのOB・OG生の思いやマイプランとつながる、こちらの3つのテーマが立ち上がりました。

  • スポーツの機会が溢れるまちづくりラボ
    テーマオーナー:ぬま大学第5期生 佐藤 慶治さん
  • ゼロ・ウェイストに挑戦する暮らしラボ
    テーマオーナー:ぬま大学第3期生 小野寺 真希さん
  • 障がいがあってもなくても関係ない自己実現ラボ
    テーマオーナー:ぬま大学第4期生 金野 諒さん

9月からの3ヶ月間、各テーマに興味・関心のある若者やすでに地域で活動している若者が、民間と行政のそれぞれから集まり、全3回のワークショップを通して、テーマ毎に学びを深めていきました。民間と行政がつながり、一緒に学ぶことを通して、民間メンバーのまちづくり活動がより広がり、加速していくことを目指しています。

第1回と第3回のファシリテーションは、昨年に引き続き、Slow Inovation株式会社 相内洋輔氏に行っていただきました。

第1回ワークショップ 「オリエンテーション」

ぬま大学第2期

タイムライン

13:30 オープニング
13:50 自己紹介/全体チェックイン
14:25 アイスブレイク
14:50 ワーク① 相互理解
15:25 休憩
15:35 ワーク② お互いの違いから学び合う
16:20 ワーク③ テーマの深堀り
17:25 チェックアウト
17:35 終了

レポート

2020年9月13日(日)に、PIER7にて第1回ワークショップを行いました。
最初はぐるっと円になって全員で顔を見ながらの自己紹介。
どんな想いで、ラボに参加したのかを話していき、参加者同士、参加の背景を知っていきます。

そのあとはテーマ毎、テーブルに分かれてアイスブレイクです。
ファシリテーターの相内さんが考案した「ぴんくのだんごむし」という制限付きの連想ゲームを行いました。ゲームで場がほぐれたところで、いよいよグループワークに入っていきます!

グループワークの1つ目は、全体で行なった自己紹介よりも深く、テーマについて自分の思いを話していきました。それぞれの思い、背景がわかることで、チームとしても一体感も徐々に高まっていきました。

全体で行なった自己紹介よりも深く、テーマについて自分の思いを話していき、どんな人たちかわかってきたところで、「フィーリングギャラリー」というお互いの違いを見比べるワークに入っていきました。気仙沼、協働、学び、生涯スポーツ、ゼロ・ウェイスト、自己実現という言葉を聞いて直感的に思いつくイメージを書き出して、模造紙に張り出していきました。同じ言葉でも連想されるイメージはバラバラです。この違いを知るワークから、同じテーマで話しているとはいえ、一人ひとりが異なる視点で異なる想いを抱いていることを、素直に「多様性」として受け止めることの大切さを体感しました。

そして最後に、チーム間での多様性を理解してきたところで、それぞれのテーマについて学びたいこと・掘り下げたいことを共有していきました。その上で次回の市役所勉強会において具体的に聞きたいことを整理していきました。
最後はまた全員で円を作って、今日の学びをシェアして、会は終了しました。

第2回チャレンジ月間 「学びを深める」

ぬま大学第2期

第1回ワークショップを経て、テーマに関連する市の担当課の方からお話を伺い、まち全体で起こっていることを知りながら、自分たちのテーマがどのようにまちとつながるのかを考えていく勉強会が、2020年9月28日(月)からスタートしました!

そんな勉強会では、まず担当課の方から気仙沼でどんなことが起きているのかを話してもらった後、参加者から質問をもらって深めていきました。そしてこの勉強会を経て、テーマ毎に実際に小さなアクションを重ねていきました。

  • スポーツの機会が溢れるまちづくりラボ

ぬま大学第2期

お話を伺ったのは、生涯学習課・健康増進課の皆さん。
生涯学習課さんからは、市内の生涯スポーツ環境や設備における、全体的な状況や今後の見通しについてお話をいただきました。健康増進課さんからは気仙沼市民の健康状態や運動習慣、健康とスポーツの関係性について、データを用いながらわかりやすく解説していただきました。
参加者からも活発な質問、意見が出て、スポーツを行う団体同士の連携や支援機会の必要性、若い頃のスポーツ習慣が将来的な健康に大きく影響することなど、課題意識を共有することができました。ラボのテーマである「スポーツの機会が溢れるまちづくり」は、それぞれの切り口においても重要であることがよく理解できた時間になりました。

  • ゼロ・ウェイストに挑戦する暮らしラボ

ぬま大学第2期

お話を伺ったのは、生活環境課・循環型社会推進課の皆さん。
生活環境課さんからは、市民の暮らしの整備から地球規模の対策まで幅広い事業に取り組まれている中で、昨年度から始まった「海洋プラスティックごみの取り組み」についてお話しいただきました。循環型社会推進課さんからは、気仙沼市のごみの現状やごみ処理の方法について、データを元に丁寧に解説していただきました。また、ごみ減量化に向けての取り組みや考えをお話しいただきました。
参加者は質疑応答を通して知識を深めていきながら、課の皆さんと「どうしたらごみを減らすことができるのか」について意見交換する時間となりました。
この時間を通して参加者全員が思ったのは、私たちが普段捨てているごみを処分してくださっていることへの「感謝」でした。そして、市民の方への啓蒙活動をはじめ、自分たちができることを考えていきたい!という思いを共有しました。

  • 障がいがあってもなくても関係ない自己実現ラボ

ぬま大学第2期

お話を伺ったのは、社会福祉課の皆さん。
平成27年度に策定された『第2次気仙沼市障害者福祉計画』を中心に、障がいのあるなしや障がいの種別、程度に関わらず、地域住民がふれあいながら、お互い安心して毎日の生活を送り生きていくことができる為の基本施策、考え方をお話いただきました。
また、障がいを持つ方が気仙沼で生活をする上で、まだまだ「不便」を感じることが多く、この「不便」を発信することが必要という話や、住民の中にある障がい者に対する理解不足をなくし、住民と障がい者が課題を共有することも重要だという話がありました。
その話を聞き質疑をしていく中で、今後は障がいがある人と実際に触れ合うことを目的に、スポーツを一緒にやってみることや、参加者が働いている社会福祉法人へお邪魔してお話を伺うなどのアクションが見えてきました。

第3回ワークショップ 「アクション宣言」

ぬま大学第2期

タイムライン

13:30 オープニング
13:45 ワーク① 活動の振り返り
14:50 休憩
15:00 ワーク② 全体セッション
16:50 市長からの講評
16:55 休憩
17:10 ワーク③ ネクストステップの検討
17:50 クロージング
18:00 終了

レポート

2020年11月8日(日)に、PIER7にて第3回ワークショップを行いました。
ぬま大学ラボ第2期の締めくくりとして、テーマ毎に3ヶ月の学びを振り返りながら、今後の活動を進める上でのヒントとなるような問いを考えて、会場にいる参加者から意見をもらい、最後にネクストステップを宣言していく時間となりました。

まずは参加者個々人で、これまでの活動の中で「新しく知った情報や知識」と「その中で感情が動いた情報や状況」について振り返っていきました。その後、テーマ毎に分かれて振り返りを共有していきます。
振り返りでは、活動していく中で自分にどんな変化があったかについても話しているのが印象的でした。
また、この振り返りの中で、”自分たちが疑問に感じていて多様な人に意見を聞きたいこと”や、”今後の活動を進めるためのアイディア募集”など、会場の参加者と深めたい「問い」を立てていきました。

振り返りが終わったら、ここからは、テーマ毎に活動の振り返りの共有と「問い」について深めていくワークショップを行う、「全体セッション」に進んでいきます。
この全体セッションには市長と各テーマに関連する市役所担当課の方にもご参加いただき、テーマをシャッフルしたメンバーで5つのグループに分かれて行いました。各テーマのワークショップ終了後には、グループでどのようなことが話し合われたのか感想を共有してもらい、その後テーマオーナーにも感想を発表していただきました。

全体セッション終了後、最後のワークショップに進みます。
テーマ毎に分かれて、ネクストステップは何か、今後の活動について考えていきました。より具体的なアクションを考えていく上での参考として、市役所担当課の今のニーズやリソース(参加者と連携できそうな機会)を事務局より共有しました。最後にテーマ毎にアクション宣言を行い、会は終了しました。

ぬま大学第2期

第2期のぬま大学ラボはテーマ型となり、テーマに興味のある・活動している若者21名が集まりました。テーマに関わる市役所担当課の皆様から「市の現状」についてお話を聞き、学べる機会をつくることで、参加者の視野が広がることはもちろん、各々の活動の磨き上げの時間にもなりました。また、第3回ワークショップの中で決めたネクストステップは、市役所担当課から出たリソースと絡めて考えることもできました。
“まちの未来”につながる大切な3つのテーマを、これからまちの中で盛り上げていく・活動していく「スタート」を切れる、そんな時間になったのではないかと思います。

次のぬま大学ラボは、どんなテーマで、どんな方たちが集まるのか楽しみです!
皆さんも次年度のぬま大学ラボをお楽しみに!