ぬま塾 vol.20 ~20回開催記念スペシャル~

ぬま塾 vol.20

こんにちは!地域支援員の矢野です。
2013年11月のプレ企画からスタートした、ぬま塾。
それから4年経った2017年12月6日(水)に、ぬま塾第20回記念スペシャルを開催しました。

スペシャル企画のトークテーマは、”協働”。
地域で何か挑戦したい!でも、最初の一歩がなかなか踏み出せない…
そんな時、誰かと一緒にやってみる=”協働”することが、ひとつのステップだったりする。
そんなことがあるかと思います。
第20回は、地域で起きている、そんな”協働”の秘訣に迫りました!

過去にぬま塾にご登壇いただいた先輩と、今地域で挑戦している若者。
まさに今、2人の間で”協働”が起きている2組をピックアップ!

《豪華なゲスト陣はこちら》
~第1部 気仙沼つばき会での協働~
ぬま塾vol.0ゲスト 有限会社たかはし 代表 髙橋和江氏 × 一般社団法人気仙沼地域戦略 小柳朋子氏

~第2部 子供服のシェアリング事業での協働~
ぬま塾vol. 14ゲスト NPO法人ピースジャム 理事長 佐藤賢氏 × ひこばえ 代表 高橋えり氏

ぬま塾 vol.20

この日の参加者は26名。今回は20回記念ということもあり、半分以上がリピーターの方々でした。いつもぬま塾を楽しみにしてくださるリピーターのみなさんのおかげさまで、ぬま塾は5年目を迎えております!

講話

司会者とゲスト2名とのトークセッション形式でお話を伺います。
ここでは2組のトークのポイントをいくつかご紹介します。詳しい講話内容は、後日公開予定の講話アーカイブをご覧くださいね。

《第1部 髙橋和江氏 × 小柳朋子氏 〜気仙沼つばき会での協働〜》

ぬま塾 vol.20

  • (髙橋氏)気仙沼つばき会は、「気仙沼ラブをどれだけ発信できるか」という地域貢献の活動として始めた。“最小の労力で最大の効果”を意識し、その為にはどうすれば良いかを、いつも考えている。活動としては、出船送り、漁師カレンダーの製作、地域の方と一緒に「市場で朝メシ」「みなとでマルシェ」の運営をしている。
  • (小柳氏)初めて気仙沼つばき会の例会に参加して、カルチャーショックを受けた。元気な女将さん、経営者の方々が集まり、周りの様子を伺う様な素振りも全く無く、バシバシ物事・担当が決まっていく状況に驚いた。決めるのも早いし、無駄が無い会議だった。気仙沼つばき会には、2つだけ決まりごとがある。「陰口を言わない」(=派閥をつくらない)「否定しない」ことで、これは明記しているわけではなく、暗黙の了解。
  • (髙橋氏)メンバーが「楽しくやる」を徹底している。だから、法人格をとらない任意の団体としている。“籍を入れない夫婦”の様な感じで、緊張感もありつつ、縛りが無い状態。
  • (髙橋氏)「どれだけ心のベクトルが動くか」が若さの基準。「若くて老人」は山ほどいる。表情もなく、何を考えているかを出せない若者。けれども、気仙沼のつばき会のメンバーは、感動が表に出ている。そして、体の労を惜しむ人がいない。
  • (小柳氏)気仙沼つばき会の若手グループ「リトルカメリア」で、「みなとでマルシェをやりたい」となった時に、会長が「若手の想いを実現するためだったら、頭を下げることくらい、いくらでもするから。」と言ってくださった。「若手に任せた。力が欲しいときはいくらでも助けるから」という先輩方の在り方が、ありがたい。先輩方のおかげで、若手が自由にやりたいことが出来ている。
  • (髙橋氏)商売も10年ごとに業種転換が必要。老舗ほど変革し続けているところはない。任意の団体も新陳代謝が必要。会長を若手に譲り、私は平メンバーに戻って活動したいと思っている。

《第2部 佐藤賢氏 × 高橋えり氏 〜子供服シェアリング事業での協働〜》

ぬま塾 vol.20

  • (高橋氏)会員制の子ども服シェアリング事業「みんなのたんす(みんたん)」。年、月、ワンデイ会員になり、みんたんにストックしている子ども服を自由に持っていくことができ、いらなくなった子ども服を無料で引き取ってもらえるサービス。みんなで「たんす」をシェアするイメージ。「環境のことがしたい」思いが強く、子ども服という資源を経済的にも優しく、自然と最後まで使い切る仕組みを作りたい。
  • (高橋氏)大学卒業後、2社目・木のエネルギーを使った宿泊施設で働いている時に、専門知識も何もない自分が出来る“環境に良い”事業は、子ども服の事業だと思った。そして、ぬま大学に入学し、「なぜやりたいのか」という内省的な部分を深掘りし、実際に実現に向けて動き出すことができた。
  • (佐藤氏)最初にピースジャムへ事業提携のお願いに来た時に、この子は一人でもやるなと思った。夢中になっている人は、言葉に責任がある。
  • (高橋氏)協働して大きく変わったことがある。一人では何もできないことをより強く実感した。支援者よりも近い距離で伴走してくださる先輩がいることがすごく心強い。自分よりも経験豊富で、より先を見据えている先輩が、自分一人では考えつかない方向へ引き上げてくれる。行動していると、目の前のことだけに夢中になってしまうが、先輩が、その少し先のところを考えるきっかけをつくってくださる。
  • (高橋氏)初めて就職した会社を5ヶ月でクビになった。今だからわかることだが、その時は、全部“人のせい”にしていた。上手くいっても他人事、失敗したら人のせいにしていて、喜びも悲しみも無く、自分が全然成長しなかった。師匠に出会い、小さくても一歩行動することが1番大切だと気づき、全部自分事として考えられるようになってから、すごく楽しくなった。
  • (佐藤氏)お金と夢があると、お金がちゃんと効果に結びつかない考え方、「こうなったらいいな」という曖昧に考えてしまうことがある。ビジョンに向けたステップアップをきちんと考えられるように、意見を言うようにしている。また、答えを言わないようにしている。質問に対して答えるけれども、答えは言わず、ヒントを与えるようにしている。
質疑応答

ぬま塾 vol.20

各トークの後は、参加者のみなさんからゲストへの質問タイムへ。

《参加者からの質問》
気仙沼つばき会が、これから取り組んでいきたいことは?
《ゲストの回答》
(髙橋和江氏)気仙沼市民がまちを知り、愛せるように、まちの“中”に対して仕掛けていくこと。漁師カレンダーも、市民一人一人が1部ずつ買ってくれることが理想。

《参加者からの質問》
今後、みんなのたんす事業を、気仙沼の外に広げていきたいという夢はあるのか?
《ゲストの回答》
(高橋えり氏)この事業は、資源を未来に残すことが狙い。この取り組みを他の地域でもやってくれる人が現れたら良いなと思っている。古着は地域で回すこと自体に、すごくエコがあると思っている。
(佐藤氏)土地を境界に価値観を分断することはもったいないので、地域の外とも、価値観を共有していきたいと思っている。

グループワーク

ぬま塾 vol.20

2組のゲストのお話を通して、私たち事務局も、改めて気づかされたことがありました。
それは、何かアクションを起こす時には、“「自分がやりたいこと」をもつこと”、
“やりたいことがなくても、「自分のありたい姿」をもつこと”が大切であるということです。

今回のグループワークでは、6~7人の4つのグループに分かれて、それぞれの「自分がやりたいこと」「自分のありたい姿」を共有しました。
今の自分の「やりたいこと・あり方」を考え、それを共有してお互いをより深く知ることで、どこかで”協働”が起きるきっかけになればと思っています。

グループトークの後は、ゲストの髙橋和江氏から若者へのメッセージをいただきました。
「若い人が熱く生きようとしている姿が素晴らしいと思った。熱くない人が近くにいたら、みなさんの火をぽっと灯してあげてください。」

参加者のこえ

ここでは、参加者のみなさんの感想や、心に残ったことをご紹介します。
《感想》

  • 和江さんの話がすごく心に刺さった。女って強い。
  • 「主体的に動くと楽しくなった」という言葉が印象的でした。
  • 「他人のせいにしない」という話が今の自分にはとても響きました。言葉でいうことだけではなく、本当の意味で他人のせいにしないことを覚えていきたいです。

ぬま塾 vol.20

先輩の言葉はもちろん、これまで同じ参加者として座っていた同世代の仲間が、登壇者として地域で挑戦しているお話を聞いて、「私もがんばろう」と刺激を受けた参加者も多かったのではないかと思います。
 
5年目を迎えるぬま塾。
熱い若者が集まるこの場はとてもエネルギッシュで、「これから気仙沼が変わりそう。」そんな予感を感じることができる素敵な空間だなあと、改めて思いました。
これからも、ぬま塾をどうぞよろしくお願いします!次回もお楽しみに!