ぬま大学第2期生インタビュー vol.2
ぬま大学第2期生に聞きました!「ぬま大学」について教えてください!第2弾。
今回のゲストは、小野寺千春さんと河村俊秀さんです。
ゲストプロフィール ※2017年4月現在
小野寺千春さん(愛称:ちはるさん)
気仙沼市出身。千葉で保育士をしていたが、震災後に気仙沼にUターンし、現在は市内の保育園で働いている。
作成したマイプラン:「保育士の学びの場をつくる“保育カフェ”」
河村俊秀さん(愛称:とっしー)
三重県出身。大学の時に震災ボランティアとして気仙沼を訪れる。大学卒業とともに移住し、気仙沼市内の企業に就職。
作成したマイプラン:「移住者の小さな寄り合いの場づくり」
もう少し人間関係に広がりが欲しいな、と思っていたんです。
ーーぬま大学に参加したきっかけを教えていただけますか?
(とっしー)そもそも気仙沼に来たきっかけは、大学のボランティア時代に気仙沼に何度も足を運んで、継続して自分も何か復興の力になれればいいなと思ったからでした。とはいえ、何をしたらいいのか、どこからやっていけばいいのか、と悩み、「何かやりたいなあ」とモヤモヤを抱えていました。なおかつ、友達や知り合いもいない環境の中で、寂しさや孤独な気持ちも募っていて。そんな時に、Facebookの「ぬま塾」のページに、ぬま大学の説明会の告知がされていたんです。楽しそうだな、と思って参加したところ、すごい面白い話をしてくれる先輩たち(ぬま大学第1期生)がいて、「ぬま大学に参加して、自分も想いを形にしたいな」と感じ、参加することを決めました。
ーー気仙沼に移住してきたきっかけをもう少し詳しく教えて頂けますか?
(とっしー)もともとは就職活動自体も地元でしていて、移住するつもりはありませんでした。ですが、面接で大学時代のボランティアの話をした時、風当りの強いことを言われることが結構あって。震災の風化、と言われますけど、みんな震災を他人事だと思っているような気がしたし、何より自分が何も言い返せなかったことが悔しかったんです。そこから、「自分にできることはないのか」と思い、移住することを決めました。
ーーでは、 ちはるさんはどうでしょうか?
(ちはるさん)私は地元に帰ってきて数年になるんですが、もう少し人間関係に広がりが欲しいな、と思っていたんです。ちょうどそんなときに、気仙沼に移住してきて保育士をしているめいちゃん(ぬま大学第2期生 冨永めいさん)と知り合ったんですね。色々話をしているうちに、保育士だけでご飯会をして、その中でちょっとした勉強会みたいなことをしたいね、という話になりました。そんな話をしていた時に、成宮さん(ぬま大学コーディネーター)と知り合って、「ぬま大に参加すれば、もうちょっと千春ちゃんがやりたいことがイメージできるし、仲間もできるよ」と言われて。「ほんと?」と半信半疑でしたが(笑)。ぬま大学説明会にめいちゃんと一緒に参加して、ぬま大学を受講することにしました。
等身大の自分になって考えられるようになりました。
ーーぬま大学の期間中、印象に残っていることは何でしょうか?
(ちはるさん)各回講義のあとの懇親会が毎回楽しかったです。みんなで真面目な話をしたあとに、ワイワイして・・・。あとは、出来事ではないんですが、回を重ねるごとにみんなが仲よくなってきたことです。それから、各回講義のあとにコーディネーターの方と話をするんですけど、私は最初は愚痴ばっかりで・・・。そもそも気仙沼自体がそんなに好きじゃなかったので(笑)。でも、話しているうちに、「愚痴ばっかりじゃ何も進まないな」と自分自身の想いが変わってきて、最後は気仙沼に対する愚痴じゃなくて、「気仙沼だからこそできること」を考えられるようになりました。特別な出来事ではありませんが、「気仙沼楽しいな」と思えるようになったこととか、「とっしー明るくなったな」とか、そういう自分自身の変化や、周りの人の変化が印象に残っています。回を重ねるごとに楽しくなっていったので、ぬま大学に入ってよかったな、と思います。
ーーとりわけ印象的だったことはありますか?
(ちはるさん)最後にぬま大生みんなで集まって、追い込みをしたことですかね。第5回講義が終わってから最終報告会まで、「みんなの前で話すとか無理!」と思っていて(笑)。でも、みんなで夜中の1時頃までプランを発表し合ったり、「もっとこうしたほうがいいよ」とアドバイスしたり、大変だけど楽しいっていう、学生時代に戻ったような感じでした(笑)。
ーー追い込みはぬま大生が自主的にやっていたのがすごかったです(笑)では、とっしーはどうでしょうか?
(とっしー)僕は第3回の懇親会で、メイン講師の尾野さんと個別にお話しをした時ですね。僕にとってぬま大学の体験はすごく貴重なことばかりで楽しかったんですけど、自分のプランをやるっていう意味では苦しいことの連続だったんです。実際に気仙沼に住んでみて、ボランティアで来ていたころとの落差にショックを受けていて。やっぱり田舎だから住みにくいなっていうところが正直あったんです。それで、僕も千春さんと同じく、最初はプランが愚痴みたいになっていて・・・(笑)。自分でも「何をしていいのかわかんない」っていう状態の中で尾野さんに話した時に、「気仙沼で楽しむことが最初のミッションでいいんじゃない?」と言われたんです。その時に、改めて自分が今まではすごく深いものを想定して、それを飛び越えようと必死になっていたんですけど、そうじゃなくて、「小さいものを飛び越えることを積み重ねていくやり方でもいいんだ」と思えて。その後も結構悩んだりはしたんですけど、尾野さんと話してから等身大の自分になって考えられるようになりました。
自信を取り戻せました。
ーーぬま大学の期間を通して変化したことはありますか?
(とっしー)最初は「自分は本当に気仙沼でやっていけるのか」と漠然とした不安が付きまとっていて、それが反映されたプランを作っていたんです。それで、「自分はこれをやる必要があるのか?」って投げやりな気持ちになっていた時もあって。でも、第4回で一緒なグループにいたコーディネーターの方に「やりたいことが分かんないんです」と言ったところ、丁寧に話を聞いてもらって、「とっしーは誰かと何かを作り上げることが楽しいんじゃない?」とアドバイスをもらったんです。そして、今までも自分がお酒が好きだったこともあり、知り合った移住者の人を誘って飲み会も開いていたんですけど、「なにか特別なことをやるんじゃなくて、そういうのをちゃんと形作っていくだけでもいいんじゃないか」とも言われて、すごく自分の中で納得して。そこから、自分から色んなことを話すようになったり、気仙沼の生活に馴染んでいきたいなと思うようになりました。
ーーちはるさんはどうでしょうか?
(ちはるさん)地元に帰ってきて保育士の仕事をしながら、「勉強会や研修会とかやればいいのに」とずっと思っていたんです。でも、それを周りの保育士さんに言っても、なかなか理解してもらえなくて。「私真面目すぎるのかな」という風に思っていたんですけど、ぬま大に参加して、自分のやりたいことを発表したら、すごく共感してくれて、「じゃあやりましょうよ」とか「こういう人呼びましょうよ」と言ってもらえたんです。気仙沼に来てからずっとモヤモヤしていたんですけど、そんな風に分かってもらえたのが初めてだったので、自信を取り戻せました。そういう点で、自分自身が変わったというか、救われた、というところはありますね。
気仙沼でできることの幅を増やしていきたいと思っています。
ーー最後に、今後やりたいと思っていることや、方向性などを教えてください。
(ちはるさん)実際に今もマイプランの「保育カフェ」を開催して、保育士さんたちで集まって話したりご飯を食べたり、勉強会を開いたりしているんですが、学びにはなるもののやっぱり問題の解決とまではなかなかいかないっていうところがあるんですね。とはいえ、ぬま大のコーディネーターの方にも、「疲れないように、ゆるく、無理せずやっていきましょう」と言われているので、勉強会を挟みつつご飯会を開いたりなど、マイペースにこれからもやっていきたいなあと思います。
ーーとっしーはどうですか?
(とっしー)移住者の会を引き続きやっているんですけど、メンバーが固定してきてしまっているので、新しいつながりを自分自身もつくっていきたいなとは思います。また、いまは飲み会を主にやってるんですけど、飲み会だけではなくて、例えば大島でみんなで運動をするとか、気仙沼でできることの幅を増やしていきたいと思っています。
ーー時間が経つ中で自然体になっていったお2人。これからも気を張りすぎず、動き続けていただきたいです。ありがとうございました!