ぬま塾 vol.22

ぬま塾vol.22

こんにちは。地域支援員の小町です。
2018年2月28日(水)に、ぬま塾ビヨンド(ぬま塾第22回)を開催しました!
今回は久しぶりとなる「ビヨンド版」。東日本大震災後から気仙沼に来て精力的に活動されている方をゲストとしてお呼びし、活動に懸ける想いや、外から来たからこそ見えてくるまちの魅力や課題にフォーカスし、お話を伺います。

今回お呼びしたのは、気仙沼市の副市長である菅沼真澄さん。
菅沼副市長は愛知県豊川市のご出身。国土交通省より気仙沼市の副市長として出向して3年になるそうです。

参加者の中には「初めてお会いした」という方も。
知っているようであまり知らない、副市長としてのお仕事についてや、菅沼副市長ご自身のこれまでの変遷、そして副市長が捉える気仙沼について、じっくり知ることができました。

ぬま塾vol.22

この日の参加者は22名。
途中で参加者からの質問に答えながらお話頂く時間も設け、ゲストとの距離が近く感じられる会になりました。

講話

ぬま塾vol.22
ここでは講話のポイントをいくつかご紹介します。

  • 世の中のすべての物事に担当を振り分けているのが行政の組織だが、分野が曖昧なものや跨ぐものが中にはあり、それらを調整して上手く回るようにするのが、自分の仕事。
  • 平成15年に国土交通省に入省。大学のときは土木工学部にいたこともあり、土木技術系の職員として入った。1年目は現場を知るために、全国各地にある事務所と呼ばれているところに配属された。そこで、工事の設計の仕事をしていた。
  • 2年目になると、内閣府のPKO事務局に2年間出向した。出張でシリアやイスラエルにも行った。当時軍事政権だったシリアは、治安が良く、イスラエルはユダヤ人の全面的な支援により発展した近代的な町だった。ただ、イスラエルは物乞いや足のない子どもがいたが、シリアにはそういう子はおらず、人々の笑顔もイスラエルに比べれば多かったことから、なんとなくシリアの人のほうが幸せそうだと思った。人間の幸せは相対的だと感じた。
  • その後は河川局に1年、道路局に2年いたが、3年間の間はほとんど電車で帰ることが出来なかった。夜中の2時、3時に家に帰って来たが、身体より心の健康を重視し、帰ってから飲みに行っていた。それから少し寝て、再び出勤する。そんな生活をずっと送っていた。そのおかげで、今は辛いことがあっても「あの時あれだけしんどい状況でも耐えることが出来たから、大丈夫だろう」という風に思える。当時の経験は、今の自分の自信やお守りのようなものになっている。
  • 気仙沼に来たのは39歳の時。気仙沼の良さは今でもうまく言語化できず、最近は「言語化できない不思議な良さがあります」と言っている。なぜか人が集まってきて幸せに楽しく暮らせるまちで、プライベートでも非常によくしてもらい、仕事面においても全国的にみても実直で奥ゆかしい人が多く、非常に気持ちよく仕事をさせてもらっている。
  • 東京や仙台からも離れ、交通の便も悪いところで、これだけ人の縁がつながるのはすごい。また、気仙沼で生まれ育った人は、郷土愛が強い。自分は元々愛知県豊川市の出身だが、両親のルーツは熱海ということもあり、郷土愛はそんなに強くなかったと思う。それらの部分を大切にしていかなければならない。
  • 自ら表に立つことはあまりないので、見えづらいことで色々なことを思われているかもしれない。だが、自分が願っているのは市民のためにベストな仕事をすることで、そのために自分の役割が果たせればいいと思う。全員が表に出たり、反対にひっこんでしまったりするとうまくいかないので、その役割分担は必要。
  • 高校に入ったとたん成績がビリに近いところまで落ちたことや、子どもの頃家庭やスポ少で厳しく育てられたこともあり、自己肯定力がそれほど強くない。やらなくてはいけないが誰もやりたがらない仕事や、人に喜んでもらうようなことに価値を見出せないと、生きていけないと思っており、土木の道を志したのかもしれない。
  • まちが一体感を持って進めるよう、みんなでまちを盛り上げ、みんなが幸せになれるように取り組んでいってほしい。そうなるように、行政も心を砕かなければならないと思う。これからは単に便利さ、物質的な豊かさだけを求めていると厳しい局面がやってくる。今一度価値観を再構築し、「幸せってなんだろう」というところの共有から始めなければならないのでは。
  • 難しくなればなるほどシンプルに考えること。市民を少しでも幸せにする、つらい想いをさせたくない、という原点に立ち返って考える。そうしたほうが、一番後悔が少ない。そういう意味では、人のためになる、感謝されることなど、人の気持ちや想いを重視している。個人的な価値観としては、損得よりも好き嫌いで動いている。
グループワーク

ぬま塾vol.22

恒例となってきた、「飴」を使ったグループ分け。
3人1組になり、講話を聴いて想ったこと、感想のシェアを行いました。

参加者のこえ

参加者のみなさんの「感想」と「新しい発見や今後に活かせそうなこと」をご紹介します。
《感想》

  • 副市長さんがすごくフレンドリーでたのしかったです。
  • 気仙沼市民は郷土愛が深いとおっしゃって頂いたこと。
  • 普段仕事上では聞くことができない話を聞くことができた。

《新しい発見や今後に活かせそうなこと》

  • もっともっと20代のうちにいろいろな経験をつもう!と思いました。
  • 言語化する努力は大事だけど、想いが大事。

 
ぬま塾vol.22

「難しくなるほど、シンプルに考える」「伝える努力も大事だが、最低限想いがあれば伝わるもの」など、数々の名言が飛び出した第22回となりました。
何よりも、副市長の親しみやすいお人柄に惹かれた参加者の方々も多くいらっしゃったみたいです。

次回のぬま塾もお楽しみに!