ぬま塾 vol.21

ぬま塾 vol.21

こんにちは!地域支援員の矢野です。
寒い日が続いておりますが、みなさん体調は大丈夫でしょうか?
今年の冬は、雪がすごいですね…。

2018年1月25日(木)。
気仙沼ではめずらしく雪の日が続くなか、第21回ぬま塾を開催しました。

気仙沼のさまざまなエリアにある、福祉・介護施設。
気仙沼市役所の近くにある「八日町ブランチ」には、私もよくランチに行きます。
今回の先輩ゲストは、そんな数々の施設を運営している、
社会福祉法人キングス・ガーデン宮城 事務長 佐藤由美子さんです。

由美子さんが母親と一緒にキングス・ガーデン宮城を立ち上げられて、約20年。
それまでは、福祉業界とは全く無縁の世界で活動をされていました。
学生運動が盛んだった怒涛の学生時代から、
子どもの頃から関わり続けてきた、地域の子どもを育てる地域教育“海浜学校”の活動、
そして、新しい福祉業界への挑戦。
由美子さんの生き方は、同じ女性として「かっこいいな」と思います。

ぬま塾 vol.21

この日の参加者は11名。
少人数だからこそできる、先輩ゲストと参加者の距離がとっても近い“こじんまり”とした場となりました。

講話

ぬま塾 vol.21

今回は、先輩ゲストと参加者がテーブルを囲む新しいスタイルに挑戦。
ここでは講話のポイントをいくつかご紹介します。

  • 仙台生まれ。医師である父親が東北大学病院から気仙沼の公立病院(現市立病院)の内科へ派遣されることがきっかけで、生後52日目に気仙沼に来た。
  • 寡黙な父親と、積極的な母親で、「何かあったら父親に相談にのり、母親が何か行動をする」、そんな2人であった為、常に様々な分野の大人が家に出入りする環境で育った。その為、子どもの頃から世の中の情勢を聞く機会が多かった。今の自分の感性は、両親の上層教育が普通の家庭よりも多かった為に形成されたのだと思う。子どもが1番最初に出会う大人は両親であり、両親とのコミュニケーションの取り方が子どもの感性に関わってくる。
  • 母親に連れられて中学受験を受け、仙台の中学校に通うことになった。中学1年生の頃は学生運動が盛んで、学生寮の近くではデモ隊と機動隊が衝突していた。中・高校時代は世の中が大きく変わった時期であった。
  • 当時の高校生は、校則や制服に関して「自分はこうしたい」という想いを自分たちで主張していた。生徒だけではなく、学校の先生も「給料上げろ!」とボイコットすることもあったが、それに対して生徒が「給料上げろということは、私たちの学費をあげるってことですよね」等と意見を言ったりした。
  • 中・高校生時代は、自分の意見・考えをもっている人たちが周りに多かった。また、親と離れて暮らしていたので、親よりも身近にいる仲間や先輩、さらにその親の生き方に興味をもち、刺激を受けていた。一方で、自分の親や、自分が生まれた環境もしっかりと捉えていないと生きていけなかった。家族との関係性、社会との関係性を子どもながらに上手く見極めつつ生きていたと思う。比べて、現代は子どもたちが親との距離が近すぎて心配になる。自分で考え、周りに刺激されながら自分の力で進んでいくという機会が少ない。
  • 大学生の時、気仙沼中学校で教育実習を行った経験から“教える”ことが面白くなり、ユネスコの活動である「海浜学校(大島で開催していた子どもキャンプ)」のボランティアに熱が入った。海浜学校卒業者が今、まちづくりの分野で活躍している。それは、若いときに、気仙沼でリアルに体験した経験が自分の頭の中にこべりついていて、「あの時よりももっと楽しいことがやりたい!」という思いが高じて、今の姿になっているのではと思う。
  • 福祉・介護の業界に携わる人は「エンターテイメント性」が必要だと思っている。そのためには、自分にLIVEの経験がある(例えば、テレビでは無く生の野球の試合を見たことがある等)、本物の何かを知っていることが大事である。経験があるということは、それを感じる心があり、だからこそ人に伝えられるし、人の感情を受け取ることができる。結果、その人に対していろいろな演出ができるのだと思う。そういう人が福祉に携われば、福祉・介護業界のプロや勉強をしている人が携わるよりも、福祉はもっと楽しくなると思う。
  • 子ども達は、私たちのような経験豊富な大人よりも、若い人・大学生の行動をすごくよく見ている。親世代の人たちが良い理想を掲げて伝えるよりも、子どもと近い世代の人たちが自身の感性を伝えていくことで、子どもは変わるんだなと感じている。そして、子どもたちには2、3個下の後輩の面倒をみるようになってほしい。「大学生が高校生のお世話をし、その高校生が大学生になったら後輩のお世話をする」というように、関係性の流れができると良いと思う。
  • チェックアウト

    ぬま塾 vol.21

    会の最後には「チェックアウト」をしました。
    参加者全員が一人ずつ感想をシェアします。

    参加者のこえ

    参加者のみなさんの「感想」と「印象に残った言葉」をご紹介します。
    《感想》

    • 同じ女性として自分だったら…と考えて聞くとすごい話ばかりでまだまだ聞き足りな
      いです。
    • 仕事の意欲が回復しました!!
    • 今日に限らず、人生の先輩の話を聞くっていいな!!と思いました。

    《印象に残った言葉》

    • LIVE感を体験する
    • 福祉・介護の業界に携わる人は「エンターテイメント性」が必要

     
    ぬま塾 vol.21

    参加者の印象に残った言葉にあるように、私も「LIVE感を体験する」という言葉がとても心に残っています。
    現場に行って体験すること、本物にふれることで、もっと自分の感性を磨いていきたい、そう思いました。

    次回のぬま塾もお楽しみに!