ぬま大学第2期 オープンアカデミー

ぬま大学第2期 オープンアカデミー

こんにちは、地域支援員の小林です。
ぬま大学の本講座の合間に行っている特別企画、その第2弾である「ぬま大オープンアカデミー」について今回はお伝えします!
ぬま大オープンアカデミーとは、マイプラン作成の参考にすべく、すでに他地域で行われている先進事例を見に行くフィールドワーク型のプログラムです。ぬま大学メイン講師の尾野寛明氏によれば、マイプランを作るにあたって、「遠くの同業種、近くの異業種」から学べることはとても多いとのこと。
今回のオープンアカデミーでは、丸一日を使って、宮城県内の5つの団体を訪問しました。

オープンアカデミーでやったこと

8:45 市役所集合・開会
~共通訪問先~
9:00 訪問その1 NPO法人ピースジャム
10:00 2グループに分かれて移動
~Aグループ~
13:30 訪問その2 NPO法人アスヘノキボウ
15:00 訪問その3 一般社団法人ISHINOMAKI2.0
~Bグループ~
13:00 訪問その2 公益社団法人MORIUMIUS
16:00 訪問その3 森のようちえん 虹の森
~訪問終了~
18:30 宿泊場所到着
19:00 報告会
20:00 懇親会

参加者はぬま大学2期生7名、1期生1名の合計8名でした。

ぬま大学第2期 オープンアカデミー

最初の訪問先は、NPO法人ピースジャムさんです。第2回講座のゲスト講師としてもお越し頂いた代表の佐藤賢さんに、公園やツリーハウス、作業場などをご案内頂いたのち、工房内でお話を伺いました。
ピースジャムさんで働いているお母さんたちの様子に加えて、工房周辺の地域事情についてご紹介頂いたり、今後どのような展開をしていきたいかなどについて、お話を伺いました。講義で事業の全体像については事前に学んでいたため、より突っ込んだ質疑応答も行われました。

ピースジャムさんを訪問した後は、2つのグループに分かれて視察を行いました。

Aルート:訪問その2 NPO法人アスヘノキボウ

ぬま大学第2期 オープンアカデミー

Aルートの最初の訪問先は、「NPO法人アスヘノキボウ」さん。震災後、女川町で地元の方々と一緒にまちのビジョンを描きながら、復興・まちづくりに携わっている団体です。スタッフの中村さんに、女川町の概要や活動内容をお話して頂きました。
震災後、女川町では30~40代がまちづくりの中心を担っています。60代の方々は、口は出すけど手は出さないというスタンス。町全体として若い人たちが地域づくりを担う仕組みが作られています。
アスヘノキボウさんでは、そのような背景も踏まえ、若い人たちが地域内外から集まり、活躍できるような様々な事業を展開していらっしゃいます。その一つとして、女川駅の横にある「女川フューチャーセンター Camass」では、定期的にフューチャーセッションが開催され、女川のまちの未来について若い人たちが語り合う場になっています。

スタッフの中村さんからお話を伺った中で、印象的だったお話をご紹介します。

  • 活動には、キャプテンのような先頭に立ってみんなを引っ張っていく人だけでなく、部員やマネージャー、サポーターといった裏方で汗をかく人が必ず必要。
  • 人間のモチベーションは「楽しい」「好き」。それをどう作っていくかが継続の鍵となる。

活動をしていく中で、欠かせない要素をたくさん教えていただきました。

Aルート:訪問その3 一般社団法人ISHINOMAKI2.0

ぬま大学第2期 オープンアカデミー

女川町を後にし、お隣石巻市に移動し、「一般社団法人ISHINOMAKI2.0」さんを訪問。震災直後、地元の若者やボランティアで来ていた市外の若者が、「地域を自分たちの手で何とかしたい」と集まり、発足した団体です。オープンシェアオフィス「IRORI」や、高校生対象の「いしのまきがっこう」などなど、まちを面白くするための多彩な事業を展開していらっしゃいます。
オープンシェアオフィスのIRORIは、「空間をひらく」ことを意識し、最初は団体の事務所だったものを、シェアオフィスとして開放する、Free Wifiを飛ばす、カフェを増設するなど徐々に外に広げていくことで、今では地元のおじいちゃんおばあちゃんや学校帰りの小学生にも利用される場所になっているそうです。
今回はそのIRORIで、スタッフの加納さんにお話を伺いました。その中で、印象的だった話をご紹介します。

  • これからは課題を解決する人だけでなく、課題を課題として認識できる人が必要。そのためには若い人たちが担い手として動いていかなければならない。
  • 活動の中では「反平均」を意識している。平均に合わせるのではなく、いろんな視点で柔軟に考え、何が一番良いのかを見極める必要がある。

また、ぬま大生からの質問に対して、なるほど!と思ったものもご紹介します。

  • (地元の人が課題を課題として認識するにはどうしたら良いのか、という問いに対して)団体のプロジェクトとして行っている「金曜映画館」は、「映画館がないから作る」だけでなく、「子どもの頃映画館があって、みんなの思い出の場所になっていた」という想いが込められた活動。小さいながらも形にすることで、地元の人がそのことを改めて実感し、思いに共感することが、課題を認識することに繋がる。

活動に対して、実感をもってイメージがつくような学びを得ることができました。

Bルート:訪問その2 公益社団法人MORIUMIUS

ぬま大学第2期 オープンアカデミー

続いて、もう一つのルートのご紹介です!こちらのルートで最初に伺ったのは、石巻市雄勝町で自然体験施設を運営する「公益社団法人MORIUMIUS」さんです。

震災前に廃校になった小学校をリノベーションして、自然体験や宿泊などが出来る複合施設で、遠方からも沢山の方が訪れる場所になっています。また、町内外の小中学生を対象とした地域教育事業も行っています。

MORIUMIUSさんが大切にしているのは、持続可能かつ循環型の暮らしを実現する「パーマカルチャー」という考え方。人と自然が共存し、人が住むことで自然も豊かになる、そんな暮らしを体験出来ます。敷地内には、使用した水が循環する仕組みやビオトープがあったり、かまどや薪ボイラーなどの設備があります。また、鶏や豚も飼っていて、まさに自然と共存する暮らしがありました。

今度はぜひ宿泊してみたいなと、参加者一同、強く感じた訪問でした。

Bルート:訪問その3 森のようちえん 虹の森

ぬま大学第2期 オープンアカデミー

MORIUMIUSさんの後には、仙台市や多賀城市を拠点として活動している「森のようちえん 虹の森」さんを訪問しました。

森のようちえんとは、自然体験活動を基軸にした、子育て、幼児教育の総称で、1960年代のデンマークではじまったと言われる保育形体です。色々な形がありますが、場所は基本的に森の中で、子供たちは自然の中で好き勝手に遊んで、時間を過ごします。

スタッフの清水さんに指定頂いた場所にいくと、そこは一面の原っぱと、その奥にはうっそうと茂る森林。実際に普段保育を行っている森の中をご案内頂きました。森を歩きながら、普段子供たちはどんなことをして遊んでいるかや、子どもと向き合っているなかでの気づきなどをご紹介頂きました。

そのあと場所を移して、虹の森さんの成り立ちや、現状、今後について詳しくお話を伺いました。実際に現場を見たあとだったので、より具体的にイメージを持つことができ、多くの学びがありました。

報告会

ぬま大学第2期 オープンアカデミー

すべての訪問終了後、参加者全員で集まって学びの共有会を行いました。各訪問先にいってみて、どんな学びや気付きがあったか、自分のプランに活かせることはあったかなどをまとめ、発表してもらいました。

参加者のこえ
  • 普段ではなかなかいけない場所に行ける機会だった。現場を見ると、言葉よりも多くのメッセージがその施設や地域から発信されていると思った。
  • 興味のある所に、興味が似たような仲間と車で振り返りをしながら回れたことで、学びが大きかった。3つの団体のお話を一気に聞けて、自然と自分の活動やマイプランと比較しながら客観的に見ることが出来ました。

ぬま大学第2期 オープンアカデミー

次回、最後の講義となる第5回のテーマは「マイプランを磨く~自分なりのマイプランへ~」です。