ぬま大学第4期 vol.3

ぬま大学第4期 vol.3

こんにちは、地域支援員の小野寺です。
ぬま大学第4期の第3回講義は、2018年7月29日(日)、唐桑地区にある「唐桑御殿つなかん」にて実施しました。冒頭に「唐桑御殿つなかん」の女将、菅野一代さんからお話をしていただきました。もともと「唐桑御殿つなかん」は一代さんのご自宅でしたが、東日本大震災により3階まで被害に遭いました。当時、ボランティア団体が延べ1000人ほど寝泊まりしていたこともあり、多くの人たちと「交流できる場」になれば良いなという想いから震災で傷んだ自宅を改築し、民宿としてスタートしました。なんと、この日は私たちの少し離れたところで国際結婚式が行われていました。今後も徐々に国境を越えての交流も増やしていきたいとのことです。

第3回でやったこと

テーマ「マイプランを描く ~ビジョン・ミッションを描こう~」
13:30 開会
13:55 ゲスト講話(講師:美術家・(一社)東北ツリーハウス観光協会代表理事・(一社)気仙沼地域戦略理事 斉藤道有氏)
15:10 感想共有・質疑応答
15:20 休憩
15:30 コーディネーターセッション①
15:40 グループワーク 
16:45 コーディネーターセッション②
17:05 アクションプラン宣言
17:15 クロージング
17:30 終了
参加者は、ぬま大生7名、一般聴講者2名、ゲスト講師1名、コーディネーター5名、事務局4名。また、今回はぬま大学のアドバイザーである尾野寛明さんにもお越しいただき、総勢20名でした。

ゲスト講話

ぬま大学第4期 vol.3
美術家・(一社)東北ツリーハウス観光協会代表理事・(一社)気仙沼地域戦略理事の斉藤道有さんをゲストにお呼びしました。震災前と震災後におけるご自身の活動のお話、その土地・歴史を知るということの大切さ、ビジョンを生み出す際のポイントなどを講話いただきました。

  • 2017年4月に気仙沼地域戦略の立ち上げと一緒に観光地経営に携わっている。創造的に地域社会を開拓していく、再生していくということをできたらいいなと思っている。震災後、気楽会の観光案内課、3.11のヒカリの慰霊碑を立ち上げる会、ばばばプロジェクトなどをやっている。文化系とおもわれていたが、元々は体育会系。小、中、高と運動をしていた。当時、ジャッキーチェンが好きで小学生から器械体操をやっていた。壁や崖があると登らずにはいられなかった。
  • 美術館だけでなく、民家だったり道路だったりといろんな場所でテーマを持って作品をつくってきた。テーマが場所や関わる人の記憶へと変わっていった。
  • 2012年10月に気仙沼の内湾を撮影して、実現したいものを描いて絵画にした。これが「3.11ヒカリのプロジェクト」。絵画で表現したことによって「こういうことを実現したいんだ」ということが多くの人に伝えられたのではないかなと思う。自分の中に色々と動機はあったが「何をやったらいいか」というものが決まっていなかった。しかし、「時間・場所・歴史・文化・記憶」という条件に当てはめながら、一つの形をどうにかして作りたいと思っていた。
  • 気仙沼がどういう場所かということに結び付けていったときに、「あの場所には人が住む場所」となった。「時間」ということについては、3.11に何かをすること。これはいろんな人たちが様々な思いを持っている為、「いったいどんな時間を過ごしたらいいんだろう」と考えた。それぞれの時間がある中で、「3.11ヒカリのプロジェクト」をやるのであれば消灯の時間を決め、当時亡くなられた方、一人一人に「時間というものがある」ということをメッセージとして入れ込むことに決めた。人を集めずに遠くで自分の場所から見えるようにする。その意味合いも兼ねて、光を垂直にあげる。空に伸びる一つの慰霊碑のようなものに着想してこの形となった。
  • 「アイデア」を探し、発見してみる。アイデアとは存在。同じ状態で同じものを見ていても気づくか気づかないということによって、アイデアに「なる」か「ならない」かという大きな違いが起きる。アイデアというものが「気づき」というものと解釈をしていくと、いつでも何かを探るという気持ちが大切。探し出して集めることによって自分自身がわかる。自分が見えてくると「自分を通した世界とはこういう世界なんです」と言えるようになる。「アイデンティティ」と「世界モデル」の二つが合わさって、ここから「ビジョン」というものが見えてくる。どんどん成長させ、自分を発見させていく、ビジョンを世界モデルとして広げていくことが大切。

今までにない、アート的視点からのお話はとても新鮮でした。早速、「自分のアイデンティティとは何だろう?」と見つめ直す受講生がいました。受講生がマイプランを起こす上でのヒントを見つけ出す良い時間になったのではないかと思います。

ワークショップ

ぬま大学第4期 vol.3

今回は1グループに受講生が1~2人、コーディネーター1~2人、ゲスト講師、アドバイザー、一般聴講者のメンバーで、4グループに分かれました。グループワークのあとは受講生がワークシートを使って、次の具体的なアクションについて、「何を、いつやるか」といったスケジュール設定を行いました。コーディネーターと話をし、グループワークでの学び・感想を共有した上で、作成したアクションプランについて話し合いを行い、その後、受講生に、次回の講義までにどんなアクションを起こすのかを、今回の講義の最後に宣言してもらいました。

参加者のこえ
  • モヤモヤしていますが、良いモヤモヤです。(ぬま大学4期生)
  • 今日はいろいろスッキリした日でした。次に向けて頑張ります!!(ぬま大学4期生)
  • 自分の思っていることを話せ、それを聞いてくれる人がいる環境に良さを感じた。(一般聴講)

ぬま大学第4期 vol.3
次回は第4回講義。
テーマは「マイプランを鍛える」です!
どうぞご期待ください。